家庭及び地域社会のみなさまへ

平成24年6月12日、市内の中学生が、自ら命を断つという悲しい出来事が起こりま した。浜松市教育委員会は、この出来事を受け、第三者による調査委員会を立ち上げ、 12月19日、第三者委員会から調査結果の報告を受けました。

教育委員会は、第三者による調査委員会からの報告書の内容を厳粛に受け止め、教育に 関わるすべての者が、二度とこのような痛ましい出来事を起こさぬよう、その決意を新た にしました。そして、12月25日に、『教育委員会からのメッセージ ~第三者による調 査委員会の調査報告書を受けて~』として、教育委員会のホームページに掲載されました。

浜名中学区の小中学校では・・・

浜名中学校区の保護者の皆様、地域の皆様におかれましては、日頃より学校教育へ の御支援を頂き、ありがとうございます。

校区の児童・生徒たちは、皆様の心温まる見守りや御支援により、中学校区合同で 実施しているあいさつ運動や地域と連携した教育活動等を通して、人を思いやる心や 人に感謝する心、地域を大切にする心がはぐくまれています。

今回の教育委員会からの報告を受け、二度とこのような痛ましい出来事を起こさぬ ように、浜名中校区の小中学校では、一貫した教育活動を保護者や地域の皆様と共に 充実させながら進めていきます。そして、職員一人一人が全力で児童生徒の心に寄り 添い、浜名中学校区の教育を進めていくことを再度確認し、実践して参ります。

4 すべての家庭及び地域社会のみなさまへ (教育委員会からのメッセージより)

教育委員会は、第三者委員会の報告書において、併せて家庭や地域のみなさまへの提言も承 っており、今後のみなさまへのご参考にしていただきたく慎んでお伝え申し上げます。提言の 趣旨のご理解を賜り、社会全体から「いじめ」を根絶するためにご協力をお願い申し上げます。

(報告書より)

(1)家庭に対する提言

ア まずは、保護者自身が「いじめ」に対する認識を変えることが必要である。集団による暴力、脅迫、 恐喝だけが「いじめ」ではない。本調査委員会における調査の中でも「これくらい(の行為)」、「そ の程度(の行為)」という言葉を何度か聞いた。大人が「いじめ」についてそのような誤った認識を 持っていれば、子どもに対し指導できるわけがなく、子どもが「いじめ」に対する正しい理解をする ことなど不可能である。また、我が子に対する「いじめ」を発見することも困難となろう。 「いじめ」か否かは「いじめられている児童生徒の立場に立って考える」という当然のことを再確認 し、子どもにも同じ教育をしていくことが必要である。

イ また、一般的に、いじめられている子どもは、「親に心配をかけたくない」、「親を失望させたくな い」、「親に相談することで事態が悪化するかもしれない」、「親に話すことで自分が余計にみじめにな る」などという思いから、親に対し、いじめられていることを相談しない(むしろ隠す)傾向にある。 本件においても、本生徒は「いじめ」を受け、悩み苦しんでいたと思われる時期ですら家庭では笑 顔で過ごしており、家族に対し自分が受けた行為のほんの一部しか話しておらず、そのときでさえ笑 顔で軽い口調で話していた。このように一見すると軽い発言が、いじめられている子どもにとっては 精一杯のSOSである可能性があるということを認識し、子どもの様子に常に気を配り、子どもの変 化を見逃さず、少しでも気になる兆候があれば「お父さん、お母さんはあなたの味方だよ」、「あなた のことを大切に思っているよ」というメッセージを伝え、悩みや苦しみを共有し、子どもの心に寄り 添うという姿勢が大切である。

ウ 他方、我が子が「いじめ」に関与していたことが分かった場合、その子が自己の行為に向き合うこ とができるような手助けを行うことが大切である。概して、親は我が子可愛さから「うちの子は悪く ない」、「うちの子の関与の程度は小さい」、「いじめられる側にも原因・理由がある」などと考える傾 向にあり、子どもが事実を話せない雰囲気を作り出すことが多い。本調査委員会の調査においても、 親が子どもを事実から遠ざけようとしていた家庭が一部あったことは否めなかった。そのような状況 では、子どもが親に対し事実を話すことなどできず、まして自分の行った行為に真摯に向き合い反省 することなどできない。まずは、子どもに対し「あなたがこれまでにどんなことをしていたとしても、 お父さん、お母さんがあなたを見捨てることはない。あなたが行った行為については、お父さんもお 母さんもきちんと一緒に向き合う」というメッセージを伝え、子どもが安心して事実を話せる環境を 作っていただきたい。そして、子どもが事実を話した場合には、それを謙虚に受け止め、子どもと一 緒に悩み考え、ともに子どもが行った行為に向き合っていただきたい。

(2)地域社会に対する提言

本件では、本生徒に対する行為につき一部の地域住民が認識していたにもかかわらず、本生徒の両 親及び学校には明確に伝えていなかった。

我が子のみならず地域の子どもたちにも関心を持ち、学校、家庭及び地域住民が協力して地域の子 どもたちを見守り育てるという意識をもって対応することが強く望まれる。

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